令和元年度 開催分

 

 令和元年度 第1回「治療に負けない身体をつくろう」

 

開催日:2019年5月14日(火)
開催場所:当院本館6階第2会議室

 

がんの治療を継続する、予後を良好な状態にする、日常生活をできるだけ支障なく過ごすためには、治療に負けない身体を維持することが必要です。そのためには適切な栄養摂取を行うことが大切です。しかし、放射線療法や化学療法などの副作用による食欲不振や胃の不快感などで食事が摂りにくくなって必要な栄養が摂取できなくなることや、体重減少などの低栄養状態になる恐れもあります。今回は、管理栄養士が治療に負けない食事の摂り方についてお話ししました。

 

講師:
杉山恵子(管理栄養士)
小川絢多(がん相談窓口・医療ソーシャルワーカー)
志賀圭子(保健師・介護支援専門員)

 

初めにがん患者さんの低栄養問題をご説明しましょう。これには大きく3つの理由が挙げられます。

 

(1)がんによる全身的な炎症反応により代謝が進み過ぎて、体脂肪や筋肉のたんぱく質が減少し体重が減少する

(2)手術や化学療法、放射線療法などの副作用により食欲不振が起こり、栄養摂取量が減少する

(3)適切な栄養摂取への関心が低いことで、低栄養状態であることを認識できない

 

こうしたことが、がん治療の継続を困難にしたり、予後を不良にしたり、QOLの低下につながります。

 

がんサロン

 

ですから、体の調子が良い時は、できるだけ毎食、主食(ごはん、パン、めん)と主菜(肉・魚・卵、大豆製品)、野菜(きのこ・海草・こんにゃくも含める)を食べ、また毎日、乳製品(牛乳・ヨーグルト)と果物を摂るようにして、栄養摂取に心掛けて体重の減少を防ぎましょう。

 

しかし、放射線療法や化学療法などの副作用による食欲不振や気持ちの悪さ、胃の不快感などで食事が摂りにくくなることがあります。その場合には、無理に食べようとしないでいいです。1日中そうした状態が続くことはないと思いますので、気分が良くなったら食べられるだけ食べるようにしましょう。ただし、食べられるようになったからといって、無理してたくさん食べるとまた気持ちが悪くなることもあるので、腹5~6分目にしてこまめに食べることをおすすめします。また、食べると不快感が悪化するものは食べるのを控えるようにしましょう。消化に悪いものや刺激の強いものも控えましょう。不足するカロリーを栄養補助食品などで補助するのもよい方法です。

 

がんサロン

 

では、食べやすく、栄養摂取がしやすい食品についてご説明します。たんぱく質を摂取するための主菜では、蒸し魚、煮魚、刺身、冷しゃぶ、うなぎ、茶わん蒸し、玉子豆腐、温泉玉子、あんかけ豆腐が挙げられます。ビタミンやミネラルなどを摂るためには、野菜スープやなめこおろし、長いも梅肉和え、とろろ、ポテトサラダ、もずく酢、味噌汁、とろろ昆布汁。その他、果物やヨーグルト、プリン、生クリーム、アイスクリームなどもよいでしょう。

 

しかし、体調がすぐれなくて料理を作るのが困難な時には、コンビニやスーパーで売っている半調理の食材を組み合わせて料理を作ってみましょう。例をご紹介します。

このように手間を掛けないようにする方法もあるので、無理のない料理でできるだけ栄養を摂取するようにしましょう。
入院中であれば病棟にいる担当の管理栄養士にお気軽にお声掛けください。外来通院中の方は担当医師にご相談になるか、総合相談支援センターにご相談ください。