がんを知りましょう

がんは「不治の病」ではありません

 

ここ数年で、がん治療はかなりの進歩を遂げ、手術療法や化学療法(抗がん剤治療など)、放射線治療などにおいて患者さんの負担が少ない治療法が広がっています。つまり、がんは「不治の病」ではなくなり、日本のような長寿社会においては「がん細胞との共存」が一般的になりつつあります。

 

一方で、インターネットの急速な普及によりがんに対する予防や治療についての情報が多く見られるようになり、正しい情報を自分で探し出すことが難しくなってきています。

 

しかし、どれだけ情報化社会が進んでも、生活習慣を改めることで予防ができますし、がん治療も早期発見であれば、普段の生活を大きく変えることなく続けることが可能になってきています。

 

 

 「がん」って何?

 

がんにかかる人の数は年々増え続けており、現在、日本人の2人に1人は一生のうちに何らかのがんにかかるといわれています。がんは、すべての人にとって身近な病気です。

 

細胞の遺伝子が何らかの原因で変化し、細胞増殖のコントロールがきかなくなったものを「がん細胞」といいます。「がん」とは、この増殖コントロールを失ったがん細胞の集まりのことを意味しています。

 

通常の細胞は、役割を果たすと自ら死滅していくことがプログラムされていますが、がん細胞はそうしたプログラムが失われているため、無秩序にどんどん増えていきます。増殖して大きくなったがん細胞は健康な臓器を破壊し、いろいろな疾病を起こします。

 

細胞ががんになる原因は、遺伝的なものと環境的ものが考えられています。どちらか一方だけの原因によって起こるものではなく、互いに複雑に影響し合い、時間をかけて発生していくことが特徴です。