東京医科大学病院




乳がんにおける放射線療法

放射線治療は、高エネルギーの放射線を照射して、がん細胞を死滅させる方法です。放射線はがん細胞も正常細胞も通過しますが、がん細胞のほうが放射線による影響を受けやすいため、がん細胞を効率よく攻撃することができます。乳房温存術後に照射した場合は、乳房内の再発を減らすことができます。


1.放射線療法の開始時期

温存術後に放射線療法を行う場合、手術の傷が落ち着く術後約1カ月後に治療を開始します。治療は週5回(月曜日~金曜日)を5週間、計25回行います。放射線の量は1回あたり1.8~2.0Gy(グレイ)で、合計45~50Gyを照射します。がん細胞の取り残しなどで、追加で照射をする場合は1回2Gyの照射を引き続き5~8回行います。
1回の線量や照射間隔は、体への負担を少なくしつつ、がん細胞にダメージをあたえるように設定されています。
治療は外来で受けることが可能で、照射そのものは1~2分で終わります。


2.放射線療法による副作用

副作用は放射線を照射した場所に限られ、放射線が体に残ることはありません。なお、放射線療法の副作用は照射中から照射終了直後にあらわれる「急性障害」と、照射数カ月後以降にあらわれる「晩期障害」に分けられますが、晩期障害はごくまれにしか起こりません。
急性期にあらわれる皮膚炎は、放射線療法終了後1~2週間でよくなります。乳房温存術後に照射した場合には、乳房全体が少し腫れて硬くなったり、痛むこともありますが、数年以内にかなり回復します。