東京医科大学病院




大腸がんにおける化学療法

1. 目的と効果判定

がんに対して抗がん剤によって行う治療を化学療法といいます。化学療法の目的は「手術後の再発の予防」と「手術で取り切れなかったがんの増殖の抑制」の2点です。抗がん剤の投与にはがん細胞を死滅させる、がん細胞が増えることを抑えるなどの効果があり、手術療法と合わせて行われます。
化学療法の効果は、抗がん剤投与後のがんの大きさの変化によって判定されます。がんが小さくなれば効果があったとされますし、がんの大きさが変わらないもしくは大きくなったとなれば効果がなかったと判定されます。効果判定については、CT(コンピューター断層撮影法)、MRI(磁気共鳴画像装置)などの画像診断によって行われます。



2. 薬剤の種類

大腸がんの化学療法ではいろいろな抗がん剤を組み合わせて使用します。基本となる薬剤は5-FU(フッ化ピリミジン系抗がん剤)ですが、ほとんどの場合効果を大きくするためにロイコボリン(ホリナートカルシウム)と併用して行います。他にはUFT、TS-1、カペシタピン、フルツロン、ミフロールなどのフルオロウラシル系抗がん剤、イリノテカン(トポイソメラーゼⅠ阻害剤)やオキサリプラチン(白金錯体)、などの抗がん剤があります。がんの取り残しがある場合は、5-FUとロイコボリンにオキサリプラチンかイリノテカンを併用して行います。
また、最近ではがん細胞をピンポイントで攻撃する分子標的薬のベバシズマブ(血管新生阻害剤)、セツキシマブ・マニツムマブ(上皮成長因子阻害剤)なども登場しました。これらはいくつかの抗がん剤と組み合わせることで高い効果を発揮します。

抗がん剤の組み合わせ例 
・5-FU+ロイコボリン+オキサリプラチン (持続静注投与)
・5-FU+ロイコボリン+イリノテカン (持続静注投与)
・5-FU+ロイコボリン (持続/短時間静注投与)
・UFT+ロイコボリン (内服)


3. 副作用について

抗がん剤は正常な細胞にも障害を与えるため、さまざまな副作用があらわれます。副作用には脱毛や吐き気など本人が自覚するものと、白血球の減少や内臓の機能障害など検査によって発見されるものとがあります。吐き気、嘔吐などの副作用は、最近になって薬剤でかなりコントロールできるようになりました。そのため、多くの患者さんは外来通院で行っています。

副作用の種類
本人の自覚症状: 食欲不振、倦怠感、手足の皮膚障害、脱毛、吐き気、味覚障害、口内炎、腹痛、下痢、神経症状(めまい、手足のしびれ)
検査で発見される症状: 白血球や血小板の減少、肝機能障害、腎機能障害