東京医科大学病院




肺がんにおける放射線療法

小細胞がんと非小細胞がんでは、治療方針が異なります。通常、体の外側からエックス線を照射する外部照射法を行いますが、気管や気管支に見つかった早期がんに対しては、体の内側から照射する腔内照射法を用いることがあります。


1.小細胞がん

遠隔転移のみられない小細胞がんの場合は、化学療法と併用して放射線治療を行います。照射範囲が広い場合には、化学療法で腫瘍を縮小させた後に放射線治療を実施します。この治療でがんが消失した場合やかなり縮小した場合には、脳への転移を予防するために、全脳照射が推奨されています。


2.非小細胞がん

ステージ Ⅰ-Ⅱ という早期のがんで手術を希望されない方や高齢の方、心臓の病気や糖尿病など他の合併疾患で手術が困難な方に対しては、がんを治すために多方向から微量の放射線を照射する「定位放射線治療」を選択し、根治的な治療を行います。
ステージ Ⅰ では放射線治療を単独で行うことが基本です。大きな気管支や血管、脊髄などの重要な臓器と腫瘍が近い場合には、副作用を考慮し照射量や回数を調整します。
ステージ Ⅱ-Ⅲ では、化学療法と同時に放射線治療を行います。ただし、高齢の方や合併症により抗がん剤の併用が困難な方は、放射線治療のみ行います。

照射範囲


3.遠隔転移のある場合

小細胞がん、非小細胞がんのどちらの場合でも、遠隔転移があるステージIVの患者さんには、転移による症状を和らげるために放射線治療を行うことがあります。転移が少なければ、症状を和らげるためだけではなく、そのがんを抑えるための治療を行うこともあるでしょう。