東京医科大学病院




肺がんにおける化学療法

進行がんでは、抗がん剤や分子標的治療薬による化学療法が中心です。


1.一般的な肺がん化学療法のサイクル

抗がん剤治療は一般に、プラチナ製剤とよばれる薬とその他の抗がん剤の2種類を組み合わせて行われます。抗がん剤を何日か投与したあと、薬を休む期間をはさむ3〜4週間のサイクルを4~6回繰り返します。

サイクル


2.分子標的療法

分子標的治療薬は、がん細胞の増殖にかかわる分子だけを攻撃する薬です。肺がんでは、「ゲフィチニブ」や「エルロチニブ」が広く使われていますが、これらの薬は、がん細胞の表面にある「EGFR(上皮成長因子受容体)」という部分に働きかけ、増殖の指令を出させないようにします。
一部の肺がんでは、EGFRをつくる遺伝子の変異ががんの増殖にかかわっているため、効果が高いと考えられる場合にはこれらの薬の使用を検討します。
また、ゲフィチニブやエルロチニブとは作用の仕組みが異なる「ベバシズマブ」も使われています。


3.副作用について

抗がん剤は正常な細胞にも作用するため、副作用がおこります。細胞分裂と増殖が盛んに行われる骨髄細胞、消化管粘膜、毛根などが強く影響を受けるので、使用する抗がん剤や患者さんの体質や体調によって程度が異なりますが、吐き気や脱毛などの症状が現れるでしょう。症状が軽ければ自然に回復しますが、強い場合には吐き気止めなどを使用することもあります。また、白血球や血小板などが減少する「骨髄抑制」とよばれる副作用や、腎・肝機能障害などについてもおこる可能性があります。