東京医科大学病院




最新治療の取り組み

低侵襲で副作用のほとんどない、
新しい可能性を持つ治療法

現在、がんの最新治療法のひとつにHIFU(ハイフ - High Intensity Focused Ultrasound)があります。日本語では「強力集束超音波治療」といい、その名の通り、強い超音波を集めてがんを治療するというものです。HIFUは「低侵襲」、「がん細胞へのピンポイント攻撃」、「副作用がほとんどない」など患者さんにとってメリットが多く、世界でも注目されています。現在日本では、高度医療として国に申請するための臨床研究の段階にあります。対象となる腫瘍は、肝がん、膵がん、前立腺がん、骨腫瘍などですが、当院では膵臓がんと肝臓がんに対してのみHIFUの臨床研究を実施しています。

HIFUの治療効果のメカニズムは2つあり、その1つは強力な超音波を1点に集めることによって生じる「熱作用」です。もう1つは、強い超音波の放射圧や振動によって液体中に真空の泡が生じ壊れる現象(キャビテーション)による「非熱作用」です。これら2つの作用によってがんに対して治療効果を発揮します。

HIFUは1回数秒間の照射で3㎜×3㎜×10㎜ の大きさの範囲のがん細胞をやっつけます。この範囲を連ね、重ねることによりがん全体を治療して行きます。肝がんや膵がんの場合、1回の治療時間は1時間ほどで、これを3日前後行います。通常、麻酔は使用しません。超音波による治療なので放射線療法のように積算の照射量に制限があるわけではなく、何度でもくり返し治療することができます。膵がんについては抗がん剤治療との併用が検討されており、がんの縮小効果や痛みを取る効果に加えて、抗がん剤の効果を高めるのに役立つ薬剤浸透作用についても期待されています。